社長メッセージ
第17期 連結業績のご報告
新型コロナウイルス感染拡大による当期業績への影響は限定的であったことから、営業利益は増益となりました。
当期におきまして、メディカルサービス事業の主力である福祉用具貸与事業は、ご利用者の方々やそのご家族の生活を維持するために欠かせない介護サービスとして堅調に推移し、またインテリア健康事業については、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響が限定的であったことから、連結の売上高は52,430百万円(前年同期比1.2%増)となりました。 また、下半期より、インテリア健康事業において価格の改定や組織・人員体制の見直しを行い、収益性が改善したことなどにより、営業利益は2,492百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
メディカルサービス事業の売上高は31,235百万円(前年同期比5.0%増)となりました。一方、営業拠点の新設、主力新商品の積極的な市場投下および成長分野への人員再配置などにより、営業利益は2,326百万円(前年同期比5.3%減)となりました。
今後の見通し:主力の福祉用具貸与事業は、ご利用者の方々やそのご家族の生活を維持するうえで欠かせない介護サービスであるため、引き続き堅調に推移することが予想されます。
病院・福祉施設などに対する販売については、医療現場の混乱が収まるまで、通常の営業活動が再開できない状況にあり、今後の業績に影響がでる可能性があります。
インテリア健康事業は、除菌機能糸「アグリーザ®」を使用した高衛生マットレス「キュリエス AG™」が売上・利益に貢献したことから、売上高は20,842百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は128百万円(前年同期は営業損失66百万円)となりました。
今後の見通し:主力の家具販売店向け販売は、店舗への来店者数の減少や各種催事の中止などによって影響が出ることが予想されます。
ホテル向け販売においても、国内ホテルの稼働率が低下することでホテル経営が悪化し、新規の設備投資等が減少することが予想されます。
■コロナ禍における当社グループの対応
新型コロナウイルス感染拡大の状況下において、フランスベッドグループでは政府要請に基づき、お客様、従業員とその家族、関係者先の健康・安全を第一に考え事業活動を行ってまいりました。
メディカルサービス事業の取引先にあたる病院や福祉施設へは、業務に支障をきたさないよう営業活動は控え、必要に応じて対応しております。但し福祉用具レンタルにつきましては、ご利用者とそのご家族の生活を維持するうえで欠かせないサービスですので、営業担当者による直接説明、配送担当者によるご利用者宅への納品や回収、サービスセンターではレンタル品の消毒やメンテナンスなど、感染リスクを抱えながらも一連の業務を継続しております。
さらに、当社グループには医療・福祉施設向けのリネンサプライ事業があり、医療関連サービスマークの認定を受けた自社の洗濯工場も有していることから、取引先の病院から回収した使用済み寝具類も取り扱うなど、社員や関係者の感染防止に最大限の注意を払いながら、強い使命感のもと社会的役割を果たしております。
■「省力化」「労力軽減」につながる機器の必要性
見守りケアシステムM-2
(ベッド内蔵)
自動寝返り支援ベッド FBN-640
介護ベッド
「離床支援マルチポジションベッド」
かねてより、医療・介護の現場での共通点として、人材の不足が懸念されていましたが、この度のコロナ禍によって一層深刻化しています。
厚生労働省でも、高齢者の自立支援や介護者の負担軽減などの課題に対し「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」を実施しており、当社グループでは“実用化された福祉用具・介護ロボット”として「見守りケアシステムM-2」が選定されました。また“介護ロボット等に活用可能な技術シーズ”として選定された「自動寝返り支援ベッド」は、2020年4月より人材確保等支援助成金の対象機器にも認定されました。
在宅で深刻さを増しているのが「老老介護」や「家族介護」です。身体的な自立が低下するほど、ご家族や介護者の負担が高まり、日常の生活に支障をきたします。この課題に対し、ご利用者の自立やリハビリをボタン一つでサポートするだけでなく、介護者の負担軽減にもつながる「離床支援マルチポジションベッド」を開発しました。“介護”の在り方も「お世話」から自立支援やリハビリへと変わるなか、ご利用者の自立をサポートし、介護する方の労力軽減につながる商品をフランスベッドはご提供してまいります。
■高い衛生機能を備えた商品の開発を強化
インテリア健康事業では、防ダニ・防臭・抗菌・制菌などの衛生加工を施した寝具や寝装品の開発に力を入れています。なかでも、マットレス・寝具ブランド「キュリエス・エージー 」は、菌の増殖を抑制する抗菌や制菌ではなく、菌を減少させる「除菌」機能を備えています。マットレスやカバー類などに使用する生地の繊維に含まれる銀イオンにより、寝具自らが生地を除菌し、防臭効果とともに衛生を保ちます。現在、この東洋紡株式会社が開発した除菌機能糸「AGliza(アグリーザ®)」を側生地に用いた羽毛ふとんの開発を進めています。一部でもファブリックがあれば、多様な製品に除菌機能糸を展開できる可能性があるため、感染対策が長期化するなか、安心して使える生活アイテムの開発を進めています。